RINOの何でも帳

雑記的な日記

【映画感想】あん

和菓子職人のサクセスストーリーかと思って観ていたらうっかり心に刺さりまくり観賞中後半はもう号泣しまくって鑑賞後も2時間くらい寝るまでずーっと涙が止まらずでした。 

 ■公式HP

an-movie.com

 


映画『あん』予告編

 

■あらすじ

訳あってどら焼き屋の雇われ店主として覇気のない日々を淡々とやり過ごすように働いていた千太郎(演・永瀬正敏)。そこに求人広告の張り紙を見てやって来たという手の不自由な老女、徳江(演・樹木希林)が店の前で「働かせてほしい」と願い出る。

高齢者には向いていないと軽く遇らう千太郎。どら焼きを手渡し丁寧に断る。

後日、再び徳江が現れる。

「あなたのどら焼きね、皮は美味しいんだけど何って言うか、"あん"がね・・」

徳江は自分が作ったという"あん"を食べてみて欲しいと仙太郎にタッパーを無理やり置いていく。

千太郎は一度ゴミ箱へタッパーを放り投げるが、気になって拾い直し"あん"を味見する。

口に入れた瞬間、徳江の"あん"の美味しさに心奪われた千太郎は徳江を雇うことに。

徳江の"あん"を取り入れたどら焼きは街の評判となり行列が出来るほどの繁盛店になる。

そんな中、徳江は千太郎の店にいつも出来損ないのどら焼きを貰いに来る女子中学生ワカナ(演・内田伽羅)と親しくなる。

順調に行っていると思われた日々の中、突然店のオーナー(縁・浅田美代子)が千太郎に徳江を解雇するようにと言いつける。徳江の不自由になった手についての噂を聞きつけたのだった。徳江は過去にハンセン病を患っていた。

噂は広まり客足が途絶えた事を察した徳江はそのまま店を去ってしまう。

 

■映画の感想

あん作りをしている千太郎と徳江さん二人のやりとりが可愛らしくて微笑ましかったなぁ。

樹木希林さんのお孫さんであるワカナを演じた内田伽羅さんもフレッシュな感じでとても好感持てました。ワカナが飼っているカナリヤのマービーちゃんがこの映画の象徴なのかなとか後から考えたり。

このまま恙無くいくんだろうと思っていた矢先に壊れてしまう日常。

穏やかな日々をたやすく壊してしまう社会の目はあまりにも無慈悲だなと悲しくなりましたね。

中途半端な知識や思い込みが誰かを傷つけることなんて頭でわかっていてもよく解らないものには拒絶反応してしまうのが悲しいけど人間の性なのかなと思いましたね。

それから千太郎が自分の無力さや不甲斐なさを酒で紛らわそうをする姿に自分を重ねてしまって一緒に辛くなりました。

最後、施設に戻った徳江さんと千太郎とワカナ、徳江さんの親友・佳子さん(演・市原悦子)の四人でぜんざいを食べながら徳江さんが「楽しかったわよ、楽しかったね。」と千太郎と店で働いていた頃を回想しながら泣くのですが、もうここで涙腺が崩壊してしまって。ダメだ。思い出して、また泣ける・・。

「囚われている現実に、変えられないと諦める時がある。

しかし変えられない現実を受け入れてその現実の中で楽しむのか囚われている現実から一歩踏み出すのか。

そのどちらも勇気のいることだし、その勇気を出した者に世界は笑う。」

なんていう事が頭をよぎった作品でした。

(自分に酔っていてクサいか?ごめん、私はこういう人間なのでね。)

 

■特に心に残った徳江さんの台詞

この映画で可愛らしくて感受性豊かな徳江さんを演ずる樹木希林さんに終始惚れっぱなしでした。バラエティ番組で見かける歯に衣着せぬ発言も大好きですし、役で自然にそこに在る存在感が半端じゃなかったです。

そんな樹木さんが言う台詞だからこそ響いた言葉を2つほど挙げます。

 

こちらに非はないつもりで生きていても世間の無理解に押しつぶされてしまうことはあります。
知恵を働かさなければいけない時もあります。

 

私たちは、この世を見るために聞くために生まれてきた。
だとすれば、なにかになれなくても私たちには生きる意味があるのよ。

 

 ◎徳江さんの言葉、千太郎の再起する姿勢

徳江さんの言葉に何者になれなくてもこのまんまで生きていて良いんだと背中押された感覚になりました。

それから最後の千太郎の再起する姿勢に希望を持てた作品です。

 

あん