RINOの何でも帳

頭の中をアウトプットする雑記帳。

さくらももこさんのエッセイと家族の思い出

私がまだ10代で反抗期だった頃、家族との会話が全く無くなった時期がありました。

今でこそ旅行に行く程の仲ですが、当時は顔も合わさず自室にこもったり外出する時も挨拶をせずに出て行ったり食事の時もずっとケータイを弄っていたりと徹底して無視をしていました。

そんな事を繰り返しているうちに話しをするタイミングを失ってしまいました。

 

私には下に妹がいるのですが彼女は面白い物を見つけるのが得意で、妹と母は趣味がよく似ています。

ある日、私が居間で何かあったのでもなく不機嫌に昼ごはんを食べていると隣で母と妹が見つけたという、さくらももこさんのエッセイ「ももこのおもしろ宝石手帖」の内容についての話で二人で盛り上がっていました。

になってはいたものの、なんせ反抗期ですから気軽に何読んでんのー?とは言えない訳です。

 

その頃、不登校とは違う紛うことなきズル休みを繰り返していた私はこの日も例の如く仮病を使い学校をサボり、家族が通学・通勤して自宅に一人になったのを見計らって書棚にあったエッセイをこっそり読みました。

内容はさくらさんが宝石の魅力について面白おかしく語る本で、さくらさんの宝石への独特の見識や文章の書き方がとてもツボに入って一気に読み終えてしまいました。

 

読んだら読んだで面白かったと誰かに言いたくなるのが人間の性ってもんです。

しかし反抗期真っ只中な私は、この本めっちゃ面白かったわー!と無邪気に言えない訳です。

 

母が帰宅してから、無愛想ながらも「この本、いいじゃん」とようやく伝えられたのでした。

母は今まで会話してこなかった事を気にも留めない様子で「あっそれ読んだんだ、面白かったでしょ?」と返してくれました。

久しぶりに会話が生まれたぎこちなさが妙に恥ずかしいのと、ようやく話ができたと安心した自分がいたのを覚えています。

今思えば母も同じような事を思っていたのかも知れません。

さくらさんのエッセイを殆ど読み切った頃、母と妹の会話に私も加わる事が出来ました。

その後、漫画ちびまる子ちゃんにハマり妹と二人で読んではお腹がよじれるくらいに爆笑していました。

毎年のお正月にちびまる子ちゃんのハードカバーの漫画がコンビニで売られていて、それを買って読んで過ごすというのが恒例になっていました。

ここのコマ面白いよね。なんて事を話しながら餅なんかを食べてダラダラする年始は最高に楽しかった。

 

そこからでしょうか、何か面白い事があれば家族にシェアするようになりました。

妹とは今では世界で一番笑いのツボが合っている者同士だと思っています。

お互いにお互いの事を面白い奴だと認識したのも恐らく、ちびまる子ちゃんのおかげだと思っています。

 

さくらさんのエッセイをキッカケに私と母と妹の共通の話題が生まれ、家族の蟠りを少しずつ解してくれたような気がするのです。

 

漫画や本もそうですが、音楽など様々な著作物は人と人とを結ぶ事もあるから素敵だな思うんです。

もちろん、悪い使い方をすれば只の知識自慢になりかねません。

でも好きなものが共通していて、その話をシェアする事は本来とても楽しい事なのです。

 

さくらさんの作品に出会えて本当に良かった。

これからも、さくらさんの作品を読み続けます。